薄毛の原因

薄毛には男性ホルモン受容体の感受性の強さ・弱さが影響して
おり、その感受性を決定する遺伝子は性染色体のＸ染色体に位
置しているため、その遺伝子は母方から引き継ぐといわれてい
ます。

また、薄毛であるという現実をどのように受け止めるかは、個
人ごとに異なります。
髪型を工夫されたり、また年を経ることで自然と気にならなく
なる人もいます。
薄毛自体は健康を害するものではないので、
明確な「完治」の基準もありません。
どの状態を満足と考えるかは、それこそ十人十色です。同じ毛
髪の量であっても非常に気にする人と、まったく気にしない人
が同時に存在しています。

その意味でも薄毛を気にしている人の悩みは、非常に深いので
はないでしょうか。周りに相談する人もおらず、ひとり悩んで
いる人も多いと思われます。
また、そうした不安を利用するような商法も現に存在している
ようです。化学、特に遺伝子学の進歩で、薄毛のメカニズムが
解明されつつあります。
薄毛という症状のみに注目するのではなく、個人ごとに異なる
薄毛の原因に注視し、それぞれの人に最も適した治療を行うこ
とが今後のAGA治療に期待されています。

人はそれぞれ体質が異なり、病気のかかりやすさや最適な治療
法なども人によって異なります。本来ならば医療は個人の体質
に合わせた治療、すなわち「テーラーメイド」が理想の姿とい
えます。

ここ数年で個人に合わせた医療を行う上で欠かすことのできな
い遺伝子解析の技術が向上しています。

近年の医薬品は作用機序が明確なものが多く、治療薬が確実に
効果を出せるように、薬剤の標的となる物質の構造を分析する
など標的分子の解析に基づいた医薬品開発が行われています。
標的になる分子が明確になると、より有効な作用が生み出され
るだけでなく、副作用も少なくて済みます。
さらに、開発を手掛ける企業は標的分子に関する知的財産を所
有することで、開発の独占権を特定期間もつことができるため、
ビジネスメリットも生まれます。

もうひとつ、個人に合わせた医療として注目されているものに、
薬剤の体内への吸収率や排泄率の個人差を見極め、効果を最大
限かつ最適に利用する方法があります。薬は人の体内に入ると、
肝臓で酵素により分解されます。
この酵素のことを薬物代謝酵素とよびますが、この酵素の作用
の度合いは個人差があります。
これが原因で血中濃度が予想以上に高くなったり、さらには副
作用が見られる場合があります。現在、新薬を開発する際は、
こうした薬物代謝酵素の活性の違いも考慮されつつあります。