激しい運動に注意
近年、ランニングを楽しむ女性が増えてます。
なかには、フルマラソンに挑戦する人も少なくありません。
ランニングを続けていると、血中の鉄分が流出して貧血になりやすく、とくに女性はその傾向が強いので、鉄分やタンパク質、ビタミンcやカルシウムなどを多めにとるなど、食生活の工夫が必要なことはよく指摘されています。
とくに40歳からのランニングやマラソンを楽しむにあたっては、漢方の「気」の面での注意も必要です。 ある40代前半の女性Aさんは、疲れやすく、のぼせやすい、月経も数ヶ月こない、との訴えで病院へいきました。
1年ほど前から「健康にいいから」と友人に勧められて、ランニングをはじめてとのこと。学生時代はスポーツのサークルに入っていた経験があるものの、ここ20年近くは本格的な運動はしてはいませんでした。
とてもまじめな性格で、練習もまめにこなし、ハーフマラソンで納得のいくタイムが出たことをきっかけに、フルマラソンにも挑戦。
その直後から、ぐったりと疲れが抜けず、月経もこなくなり、のぼせをひどく感じるようになったそうです。これは、「気」を使いすぎた典型的な例です。
もちろん、ランニングは「血」の流れをよくする効果もありますが、まずはご自分の「気=エネルギー」の総量や、ランニングに使えるだけの気がどれだけ残っているのか、といったことを把握しなくてはいけません。
このAさんは「気」をおぎなう漢方薬を処方され、2ー3ヶ月ほどして体のリズムが戻り、月経が再開しました。
治療をしていなかったら、あのまま閉経になってしまう可能性を含め、老化の急勾配の坂を駆け降りていたかもしれません。
ランニングに限らず、40代になってからスポーツや習い事をはじめる際には、「気」を消耗しすぎてマイナスにならないように気をつけましょう。